御前崎市池新田大型産廃施設本格稼働阻止訴訟

2020/9/10更新

2020/9/10

御前崎市に対する賃料と期間の公文書部分不開示決定処分取消等請求訴訟の報告(その1)

第1 裁判の報告

  1. 公文書部分不開示決定処分取消等請求事件の第1回口頭弁論期日が、2020年9月10日(木)午前10時30分から静岡地裁民事2部合議係で開廷されました。本件は、御前崎市の池新田財産区の土地が、財産区管理者御前崎市長によって、2017年12月5日大型産廃処理施設建設のために大栄環境㈱に賃貸された契約書の開示を求めた住民に対し、2020年3月26日、市長は契約期間と賃貸料金/年額等を非開示とする処分を下したのに対し、住民が処分取消と国賠法による慰謝料を請求する訴訟です。
  2. 被告御前崎市は裁判期日までに答弁書を提出しないまま、第1回口頭弁論期日を迎えました。
  3. 被告御前崎市の代理人弁護士は、口頭で「原告の訴えを棄却する」という判決を求めました。
     裁判官から被告御前崎市に対し、不開示部分(契約期間及び年額賃料)を開示することで大栄環境に与える影響を具体的に主張するよう求めたのに対し、被告御前崎市は「答弁書は未提出であるが、既に作成済であり、同書に具体的に記載している。本日(10日)中に提出する」とのことでした。
  4. 裁判期日後、原告代理人に事務所へ答弁書が届きましたので、同答弁書を下記に添付します。
     答弁書で被告御前崎市は、契約期間及び年額賃料を開示しない理由を「開示することにより、契約当事者の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるため」、及び「具体的には、賃料、契約期間を開示することによって契約当事者である訴外大栄環境の経営特に財政状況に関する影響、情報が明確化されることによる同社への悪影響に配慮したことによる」と主張しています。
     しかし、被告の主張では、御前崎市池新田財産区の土地を賃貸借するに当たり、その期間及び賃料を開示することが、大栄環境にどのような悪影響があるのか、全く分かりません。御前崎市は産廃業者のみに顔を向けて行政をしていると自認しているようなものです。御前崎市民や財産区民は全く無視されています。さらに、2019年11月18日に開かれた御前崎市の産業廃棄物処理対策等調査特別委員会会議において、ある委員が「もし可能でありましたら、黒塗りではない契約書を見せていただきたいという希望です」と発言したのに対し、栁澤重夫市長は「黒く塗り潰さなくて皆さんに公開できるようなものにしていきたい」と答弁したことに明らかに反します。原告は答弁書に対する反論を用意します。
  5. 次回裁判は2020年10月20日15時30分、弁論準備手続となりました。
     次回の弁論準備期日は非公開で行われるため原告以外の方の傍聴はできませんが、裁判終了後には報告会を行いますので、是非ご参加下さい。
     この答弁書に関するご意見や関連の情報をお持ちの方は当事務所のメルアドにお送り下さい。

答弁書はこちらです(PDFファイル)

2020/7/14

御前崎市、大型産廃施設稼働阻止運動第3報、
2020年6月5日に提訴した住民訴訟事件(静岡地裁令和2年(行ウ)第12号)の第1回口頭弁論期日が8月28日(金)14:40に決定しました。

7月10日、裁判所から連絡があり、住民訴訟事件の第1回口頭弁論期日が8月28日(金)14:30に決まりました。是非多勢傍聴に来て下さい。口頭弁論終了後、弁護士会館3階へと場所を移して説明・意見交換会を行います。御前崎産業廃棄物施設建設に反対の方は、是非ご参加下さい。

2020/5/7

御前崎市、大型産廃施設稼働阻止運動第2報、住民監査請求書を提出

  1. 5月1日午後2時、13名の住民が御前崎市監査委員加藤英男氏、同大沢博克氏に対し、御前崎市職員措置請求書を提出しました(加藤委員は市のOB、大沢委員は市会議員です)。
    6名の方々と代理人の私が午後2時少し前に市役所前に集まり、新聞(静岡、中日、朝日、毎日、読売)各社の記者、TV(NHK、SBS、テレ静、テレ朝)がカメラを構える中、請求人を代表して長島孝さんが監査請求に至った思いを述べて請求書類を監査事務局に提出し、受付印を押してもらいました。
    その後、記者会見に臨み質問を受けました。
    NHKは同日夜8:55に放送されました。私は見ていませんが、SBS,テレ静、テレ朝も放送されたことと思います。
    5月2日、新聞は朝刊県内版で報道されています。
  2. 措置請求書を以下に掲示しますので是非お読み下さり、質問、意見を下さい。監査請求の目的は、真実と責任の所在解明です。

    御前崎市職員措置請求書はこちらです(PDFファイル)

    監査の手続きとしては、請求者と執行機関の意見陳述という機会が設けられます。いずれも同じ日に公開で行われますので、日時が決まれば、当HPでお知らせします。多くの方の停聴を望みます。
    真実と責任の所在の解明に努めます。
    監査請求に対する監査委員の結論は5月1日から60日以内に行わなければならないことになっていますので、いわば待ったナシです。監査結果や勧告の内容に不服であれば、住民訴訟を静岡地方裁判所に起こせます。
    裁判の中では、真実と責任の所在の解明により近づけることが出来ます。
  3. 住民監査請求の第2陣請求者を募っていますので、希望者は長島孝さん(携帯番号090-3839-8009、FAX0537-86-5065)か、http://www.omaezaki.infoに申出て下さい。藤森弁護士への委任状に署名押印して頂きます。
  4. 真実と責任の所在の解明に関わる情報提供を当事務所へお寄せ下さい(但し、無償です)。情報提供者の秘密は必ず守ります。

2020/4/14

御前崎市、大型産廃施設本格稼働阻止訴訟、裁判の報告(その1)

第1 裁判の報告

  1. 2020年4月10日(金)午後2時から静岡地裁民事1部合議係で、第2回口頭弁論期日が開廷されました。
    池新田財産区の住民3名が原告となって2019年11月15日静岡地裁に「2017年12月5日付で池新田財産区(代表者は御前崎市長栁澤重夫氏)が大栄環境株式会社(本社大阪府和泉市)との間で結んだ土地賃貸借契約は無効であることを確認する」という内容の請求の趣旨(裁判)を求めたものです。
  2. (1)裁判提起後、住民が静岡県総務部企画監(自治行政担当)編の「財産区運営の手引」を見つけ、私に送ってくれました。それによると何と「財産区管理会の同意は、法律行為についてはその効力の発生要件であるので、同意を要する事件を、同意を得ずに執行すると、当然無効の行為となる。また、議会の専決事件と異なり、市長村長が専決処分を行い、事後に財産区管理会の承認を求めるということはできない。同意の具体的手続きを説明すると、市長村長は、財産区管理会に対して同意を求める具体的事項を説明した文書を送付して同意を要請し、財産区管理会はこれを審査して同意又は不同意を決定し、その旨を市長村長に文書で回答する」とあるのです。
    (2)そこで本件ではどうだったのかと「県の手引」に当てはめてみました。
     すると
    ① 抑々御前崎市長は財産区管理会に対して、「①同意を求める具体的事項を説明した文書を送付」していないから当然に「②同意の要請」もしていない。
    ② 次に「③財産区管理会はこれを審査」はしていないし、「④同意又は不同意を決定」していない。
     2019年11月29日に開かれた御前崎市議会の産業廃棄物処理対策等調査特別委員会で、本件賃貸借契約(2017年12月5日)当時の池新田財産区管理委員であったA氏とB氏は委員の質問に対する答弁をし①市長が上記の同意を求める具体的事項の説明をした文書の送付をしていなかったこと、②財産区管理会は(賃貸借契約締結の)審査をしていなかったことが明らかになりました。よって「県の手引」からすると契約は無効となります。
     また御前崎市池新田財産区管理会条例の第6条1項は「管理会は会長が招集する」と定めているが、本件賃貸借契約の件で松下敏行会長が管理会を招集した事実もありませんでした。契約の無効性を補強する事実です。
    (3)私は訴状提出の段階では本件賃貸借契約が公序良俗違反(民法90条)だから無効であるという立て方をしていましたが、「県の手引違反 無効」を主位的請求の根拠とし、公序良俗違反無効を予備的請求の根拠に変える主張書面(原告第1準備書面)を2020年2月5日付で提出しました。
  3. その上で、2020年2月7日第1回口頭弁論期日を迎えました。
     大栄環境は答弁書を提出し、本案前の答弁として「原告の訴えを却下する」という判決を求めました。原告らは賃貸借契約の当事者ではないので、無効判決を求める「確認の利益がない」とし、中味の審理に入るのではなく、門前払いを求めてきたのです。一方池新田財産区は、この時点では「なお、以上の通り確認の利益の問題であるので訴訟条件(要件)の問題と考えられ、それが無い場合訴え自体が違法として、訴え却下の本案前の答弁とするべきであろうが、本件については一定の評価が可能と考え、現段階での答弁としては請求棄却の答弁とするものである」という答弁書を提出して来ました。
  4. (1)第2回口頭弁論期日(4月10日)までに、私は東大元教授新堂幸司の「新民事訴訟法」や関西学院大学元教授上田徹一郎の「民事訴訟法」が、「他人間の権利関係を訴訟物とする場合でも、その権利関係の存否を確認することによって、被告に対する関係で、原告の法律的地位の安定を得られるならば、そのような訴訟物についても利益が認められる」という学説を援用して反論した。
     被告池新田財産区は4月7日付で準備書面(1)を送付して来、その中で原告の請求には確認の利益をないと主張するに至った。
    (2)原告は提出した4月7日付準備書面(3)の中で、
    「第1 住民投票結果を受けた市長らの動き
    1. 2019年12月26日、市は被告大栄から申し出があった土地利用の事前協議に応じず、年明けにも関連書類を返却する方針を明らかにした(静新2019年12月27日朝刊)。
    2. (1)2020年1月10日、栁澤市長は被告大栄の金子文雄社長を市役所に呼び、「計画断念の申し入れについて(要請)」を交付し、併せて土地利用事前協議申出を返戻した。
      (2)上記申し入れを受けて金子社長は「一時立ち止まり、住民の理解を得る努力をする」と述べ、建設手続きの一時中断を表明した(新聞記事)。
    3. (1)2020年1月15日、市長は県庁で川勝知事と面会し、被告大栄に計画断念を要請したことを報告した。川勝知事は「全面的に賛同する」と市長の判断を支持した。市長との面談に関する知事発言要旨は甲30のとおりである。
      (2)これを報道した静新の記事が甲31である。
    4. 2020年1月20日、被告大栄は市議会の特別委員会の参考人招致に応じた。被告大栄の井上吉一専務は、委員の質問に対し「(住民説明に)何年かけると言う表現はしづらい」と答えた。計画地である池新田財産区の賃貸借契約について、委員からは一時解除すべきとの意見も出たが、下田室長は『その考えは今のところない』と答えた。
    5. 2020年3月20日市長は「産業廃棄物処理施設の経緯及び今後の対応」を公表し、その中で「引き続き投票結果を尊重し、市民に寄り添い、事業者に計画断念を強く求め、そして土地賃貸借契約の解除に向け、『建設は絶対に認めない』という強い意志を以て全力で取り組むことをお約束します」と書き記した。

第2 被告財産区の代表者御前崎市長に対する求釈明の申立

  1. 2020年1月20日以降に、市長、市の機関(関係部署)、市議会が被告大栄と接触したことの①有無、②有りとすれば誰(どの機関、議会)が、②いつ、③どういう目的で、④その結果はどうなったかの釈明を求める。
  2. 本件土地賃貸借契約書13条1項本文で、「甲は、次の各号の一に該当した場合にはいつでもこの契約を解除することが出来る」と定め、4号は、「乙が当該土地を利用して行う事業に関して、静岡県又は御前崎市の行政指導に従わなかったとき」と定めている。そこで以下の釈明を求める。
    (1)市長は2010年1月10日に「計画断念の申し入れについて(要請)」被告大栄の金子社長に口頭及び文書で申し入れたことは①上記行政指導には該当しないのか。②しないとすればその理由
    (2)①甲33の2020年3月20日付「引き続き投票結果を尊重し、市民に寄り添い、事業者に計画断念を強く求め、そして土地賃貸借契約の解除に向け、『建設は絶対に認めない』という強い意志を以て全力で取り組むことをお約束します」にある土地賃貸借契約の解除に向けての約束の履行として、①近い将来、市長は計画断念を求める行政指導をする意思の有無
     ②有りとすればその時期
     ③無いとすればその理由」
     これに対し、大栄環境は「原告らは、御前崎市長に対する求釈明を行っているが、本訴訟において御前崎市ないし、同市市長は当事者となっておらず、かかる求釈明は失当である」と主張し、池新田財産区は「原告は、本件契約に関する住民投票を受けてその後の御前崎市長並びに被告大栄環境側の対応を主張するが、このことと本件訴訟は直接関係するものではなく、特に本件訴えの根拠としての合理性を根拠付けるものではない。また、同様に求釈明がなされているが、その内容も結局前項の内容を確認するだけのもので、本件訴訟の根拠付けにはならない性質のものであると考える。従って、被告財産区としてはこの求釈明に応じる考えは無い」と主張した。
    (3)このような経過で4月10日の第2回口頭弁論期日を迎えました。裁判長から中間判決(門前払いを認めるか否か、中味の審理に入るか否かの判決)をする意向が示されたので、私から大栄環境の第2準備書面に対する反論を4月24日(金)までに提出することを約束し、次回第3回期日を5月20日午後4時とすることに決定しました。その日に一旦終結され、6月か7月に中間判決が下りることになります。
    (4)私は門前払いの判決はないものと確信しておりますが、中間判決に対して敗訴した方は高裁に控訴し、更に高裁判決に対して上告することが可能です。中間判決が確定するまでに1年以上かかることも予想できます。そこで、御前崎市民、池新田財産区民の方々に私から新提案をします。

第3 ご提案(住民監査請求と住民訴訟の活用)

  1. (1)上記のとおり、本件賃貸借契約は「県の手引」違反が明白であり、「県の手引」によれば、無効ということになります。手続違反で元々無効なものを調印した市長の責任・市長の押印を止めなかった事務方幹部の責任、強引に市長に押印させた推進派の有力幹部(議員・公民館長など)の責任が発生します。真相の解明と責任の所在の追求の手段として住民監査請求を活用しませんか。
     監査委員が請求を棄却した場合には住民訴訟(静岡地裁に係属)という手段を活用して、粘り強く真相の解明と責任ある者に対する損害賠償請求を求めることが出来るのです。
    (2)元々「県の手引」に違反して無効な契約を成立させたことによって発生した損害には、住民投票条例を成立させるに要した市の職員等に支払ったお金、同条例実施に要した市の職員等に支払ったお金は損害に該当すると思います。
     これらの損害を市長は責任ある者に対し損害を賠償せよという監査請求は御前崎市民ならだれでも請求人になれます。
  2. (1)また、本件賃貸借契約書13条1項本文は「甲は、次の各号の一に該当した場合にはいつでもこの契約を解除することが出来る」と規定しています。しかし市長は行政指導をして契約解除をする姿勢を見せません。
     その不作為(行政指導権の不行使)は権限の逸脱濫用に該当すると私は考えます。契約解除をした上で速やかに当該土地を原状に回復させて土地返還させ、産廃施設進出の禍痕を断つべきです。そして速やかに2020年度として受領する地代を清算すべきです。
    (2)これらの市長の権限の不行使による財産管理の懈怠をテーマにして、住民監査請求を求めるものです。この請求人は池新田財産区民です。
  3. 2020年4月2日の市長選で栁澤重夫氏が再選されました。「事業者に計画断念を求める」という掛け声だけでは前進がありません。住民監査請求や住民訴訟を活用して真相の解明と責任者の追求をやってみませんか。

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