■ 紳士録商法 (最終更新履歴:2005年12月6日)
2005/12/6 紳士録被害、会社の金に手をつけ,加害者(犯罪者)に転落する前に!
2005/1/12 紳士録商法2次被害事件で詐欺実行犯に銀行口座を譲渡した被告を捜しあて、口座譲渡人に静岡県内初の勝訴判決
2002/10/9 紳士録商法 株式会社日新人事情報センターの被害に関する弁護活動報告
2002/8/28 紳士録商法 株式会社全国興信所連合会の被害回復例
2002/2/15 紳士録商法共同リサーチ(日本共同出版)の被害回復例
2005/12/6  紳士録被害、会社の金に手をつけ,加害者(犯罪者)に転落する前に!
1,  2005年11月28〜30日にかけての報道によると、東証1部上場企業の子会社の元社員(部長代理)が、紳士録恐喝グループに会社の金を約5億6千万円を振込んでいたことに関し、恐喝団14人と元社員が逮捕された。余罪を含めると11億円超を恐喝団に振込んでいたと報道されている。
2,  紳士録被害では、過去最高の被害です。逮捕された元社員が恐喝団の真の被害者と云えるのか、初めは被害者と云えても、途中から恐喝団と気脈を通じた感がしないでもなく、事実の解明は捜査の進展を待つしかありません。
3,  私の紳士録商法対決経験では、加害者(詐欺・恐喝実行行為者とその共犯者)に組織暴力を背景にしたものは全くありませんでした。
4,  予防と対策ですが、紳士録商法の1次被害(紳士録の押し売り),2次被害(原版の抹消名目,管理料名目の請求)に遭ったら、@直ぐに断わることです。A断わり切れずに契約させられてしまったら、8日以内にクーリングオフすることです。Bクーリングオフ期間が過ぎて了ったら、消費生活センターや弁護士会に相談することです。Cお金を払った後でしたら、弁護士に頼んで取り戻しをはかることです。Dカモリストが売買されるので、金を払った後でしたら、Cは絶対必要です。そうしないと、いつまでも電話が架かってきて集中攻撃されます。
2005/1/12 紳士録商法2次被害事件で詐欺実行犯に銀行口座を譲渡した被告を捜しあて、口座譲渡人に静岡県内初の勝訴判決
静岡地裁(民事1部3係) 2005年1月11日判決
      認容額110万円(請求額270万円)
第1 当事者
. 原告Iさん(男、1926年1月24日生)
2. 被告K(男、1969年12月27日生)
3. 詐欺実行犯  版権処理機構高井得博と名乗る男
4. 原告が200万円を振込んだ口座は、三和銀行池袋支店、名義:版権処理機構
第2 事実経過
1.  1995年頃、Aという紳士録業者から履歴照会があり、返送。
2.  1998年6月、B出版社の紳士録(Iさん分掲載)を15万円で購入。この紳士録掲載を機に抹消名目の電話が架かってくる。
3.  2000年3月6日、紳士録からの抹消を名目に脅迫と欺罔により合計23万1000円をジャーナルイントラストに振込む。
4 (1) 2000年7月6日、版権処理機構高井得博と名乗る男から「紳士録に載っているあなたの版を抹消しないとこれからも次々と金員を請求される。最終的には版権を処理するのはウチしかない。紳士録業界を支配するドンがいて、そのドンが今回70歳以上の功労のある人に限り版権を処理することを決めた。これは特別な計らいであり、この機会を逃すと次はいつ処理できるか分からない」と申し向けられ、今処理しないと今後も請求が続くかのように脅かされた。更に高井は処理費として20万円、処理に当っての保証金として180万円、合計200万円の支払いを要求し、このうち保証金の180万円に関しては3ヵ月後の10月6日には返還すると明言し、支払を迫った。
  (2) 2000年7月7日、原告は200万円を振込む。
  (3) 保証金180万円は返金予定日になっても返金されず。版権処理機構に電話を入れるも不通。
第3 被告に辿りつくまで
1.  2002年1月23日、原告代理人は三和銀行池袋支店に口座開設者の住所・氏名の開示請求をするも、拒否される。
2 (1) 2002年2月21日、原告は三和銀行(UFJ銀行)を被告として、「原告は人格権の一部である犯罪加害者に関する情報を知る権利を妨害された」ことを根拠に慰謝料10万円、弁護士費用5万円の支払いを求めて提訴。
  (2) 2003年3月17日、静岡地裁民事1部2係は原告敗訴の判決言渡。
3 (1) 2003年9月25日、原告は被告版権処理機構こと某とUFJ銀行を被告として、連帯して200万円+慰謝料+弁護士費用(合計270万円)を請求する本訴を提訴。
(2) UFJ銀行に対する請求の根拠は、債権者代位権(民法423条)の行使。
(3) 2003年10月28日、裁判所は版権処理機構こと某の提訴は、当事者の表示として特定不十分として補正命令(2週間以内に住所・氏名を特定せよ)。
(4) その頃、UFJ銀行から原告代理人に弁護士照会すれば口座の住所・氏名を開示すると連絡有。やっと口座開設者たる被告が分かる。
(5) 被告の言い分〜弁護士をつけて応訴「後楽園の場外馬券場で知合った男にファミレスでメシをご馳走になったり、コーヒーがジュース、カレーライスをご馳走されたり、競馬で負けがこんでいたとき、1万円の小遣いを貰ったことがある。その男から『今度、銀行の通帳を作ってくんない』といわれ、応じた。通帳と印鑑とキャッシュカードをその男に渡した。名前も職業も電話番号も一切聞いていない」と。「払った原告が悪い」と。
第4 判決
1.  高井ないし版権処理機構は民法709条の責任を負う。
2.  被告Kは、民法719条2項(幇助者)、1項(共同不法行為)の責任を負う。
3.  過失相殺50%、慰謝料50万円は認めず。実被害200万円、弁護士費用20万円の内、50%の110万円を認容。
4.  他人への譲渡目的での預金口座の開設行為は、譲渡された預金口座が詐欺等の犯罪行為に容易に利用される危険があり、態様によっては、金融機関に対する詐欺罪として問擬されかねず、また、預金口座の通帳等の譲渡行為も、本件当時には、これを規制する法律はなかったものの、態様によっては、平成16年12月30日に施行された「金融機関等による顧客等の本人確認及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」の規制対象となる悪質な行為であって、被告の開設した本件口座は、その入出金の状況に照らせば、本件詐欺行為と同様の詐欺行為に利用された可能性が高いことにも鑑みれば、本件口座の開設及びその通帳等の譲渡に安易に応じたことは、厳しく非難されなければならないと考えることを付言する。
2002/10/9 紳士録商法 鞄新人事情報センターの被害に関する 弁護活動報告
1.被害の概要
(1) 2000年、埼玉県内のS氏(57歳)宛に、「KK全国興信所連合会(日本興信所)」、「全国人事探偵社」から書類が届き、S氏は会員名簿かと思い、中身もよく見ないで印鑑を押して返送しました。忘れた頃、予約特価20万円を請求する電話があり、S氏はそんな覚えがないと主張しましたが、印鑑を押して返送した手前、断りきれず、仕方なく16万円に値切り、4回分割で支払いました。しばらくして分厚い人事名簿鑑が届き、そんなものは役に立たないと思いながらも仕方なく置いていました。最初の書類は字が小さく内容も理解困難で腹立たしく、いい加減に読んで破り捨て、これで終わりだろうと思っていました。
(2) 2002年6月、「更新してほしい」との電話が入り、S氏が「もう結構です」と断ると、「本の版を廃版し、各探偵社へ中止の連絡を入れるための80円切手数百枚などの通信費がかかりますので、その分お支払ください」と言われました。S氏は「そんなものは払えない」と断りましたが、「切手を一枚63円に負けてやる」としつこく請求されたため、めんどうなのでS氏は「これっきりで完了ですよ」とやむなく3万4千円を支払いました。S氏はなんとなく妙な気はしましたが、これで終了とほっとした気持ちでいました。
(3) 2002年9月19日「ニッシンのネギシ」と名乗る人物から「廃棄料1行につき13×14行で143円、全国数百ヶ所への通信費80円×1300ヶ所分等、17万円を支払ってください」と電話がありました。S氏が「あれっ、終了したのではないですか?変ですね」と言ったところ、ネギシは「あれは探偵社関連でこちらは出版社関係なのでまだ終わっていません。いろいろ大変でしょうが17万円の2万円は経理部長に頼んで負けてもらいます。15万円でどうですか?」と言ってきました。S氏は「いつまでに支払うのですか?」と問うと、ネギシは「サ行の印刷が始まっているし、全ての探偵社へ今月27日まで知らせるので、9月27日までに振り込んでください」と答えたため、S氏は「納得できないが、その旨の書類を送ってください」と言い、電話を切りました。
(4)この時S氏は悪徳商法ではないかと気づき、インターネットで調べた結果、「紳士録商法」という悪徳商法があることを知り、これらを断ち切るにはどうすればよいか、私に相談するに至りました。
2.弁護活動
 私はS氏から相談を受け、2002年9月25日、鞄新人事情報センターに対し、「S氏は上記のような人事協会退会に伴う原稿回収廃棄費用の支払いを合意をしたことは無いため、契約は不成立であり、S氏は鞄新人事情報センターへの支払義務は無い。『退会』も『原稿回収廃棄』というのも欺瞞的であり、到底信用できない」という内容の通知書を送付しました。
3.結果
 その後、鞄新人事情報センターから一向に回答がないので、2002年9月27日に私から鞄新人事情報センターに電話したところ、「担当の佐竹に連絡付き次第電話させます」とのことでしたので連絡を待っていましたが、佐竹から連絡が来なかったため、2002年10月1日、鞄新人事情報センターに再度電話したところ、「佐竹には伝えてあるのですが…佐竹には伝え、電話させるようにします」と言ったものの、その後当事務所に連絡はありません。

 以上のとおり、こちらからの再度の連絡にもかかわらず、当事務所にもS氏宅にも連絡がないため、鞄新人事情報センターはS氏に対する請求を諦めたものと思います。

2002/8/28 紳士録商法 株式会社全国興信所連合会(日本連合興信所、全国人事探偵社)の被害回復例
1 静岡県内の元公務員B氏は、2002年7月下旬に株式会社全国興信所連合会(日本連合興信所、全国人事探偵社 住所:東京都豊島区東池袋1−17−3−305 旧住所:東京都新宿区新宿1−5−5)から電話を受け、紳士録の掲載について勧誘を受けました。B氏は断わりましたが、その後に送られてきた「当社返送分」という印の押してある『予約御願書』の「次回以降 継続致しません」の項に、ついうっかりして丸をつけて署名・押印し、返送しました。

2 8月下旬になって株式会社全国興信所連合会から「御礼状」と「請求書」が届き、B氏は30万円を請求されました。B氏が返送した書類には、「購読を申し込みます」「入会致します」「紳士録(人事録)予約特価200,000円 調査正会員費100,000円」と小さな字で記されていたのでした。

3 B氏は断わる意味で書類を送っていましたから、消費生活センターのアドバイスに従い、B氏は「申込むつもりはなく、支払いはしない」という内容の手紙を送りました。しかし、B氏宅に「10万はまけてやる。20万払え」と請求の電話がきたので、困ったB氏は8月22日に私に依頼しました。

4 私はすぐさま株式会社全国興信所連合会にFaxと配達記録郵便を送り、@契約の不成立、A契約の錯誤無効、B契約の詐欺による取消を根拠として代金支払を拒絶しました。翌日(8月23日)業者から私宛に電話が入りましたが、契約の不成立、錯誤無効、詐欺取消を主張した結果、業者は「請求しない」と諦めました。

5 解決例として御報告します。
2002/2/15 紳士録商法共同リサーチ(日本共同出版)の被害回復例

1、静岡県内の寺の住職A氏は2000年10月、日本共同リサーチ(日本共同出版)(東京都豊島区南池袋2−8−5−505)の勧誘により、「意志表明書」なる文書に署名押印返送して「平成13年版日本人事年鑑」購読予約しました。A氏としては寺の人名鑑と理解していました。
2、2001年11月末、部厚い紳士録が送付され、その後2度に亘り、29万円の請求書が送られて来、電話による督促もありました。
 A氏としては、寺の人名鑑と理解していたこと、29万円もの超高価本とは考えていませんでしたので、29万円の請求に困惑しました。
3、そのような折、2002年1月28日から別の「紳士録管理業者」(N社)から「保守管理料」を支払えとの電話攻撃による恐喝行為が始まり、A氏はノイローゼに陥り、消費生活センター経由で2月13日私に依頼がありました。
4、早速、日本共同リサーチにはFAXで@契約の不成立、A契約の錯誤無効、B契約の詐欺による取消を根拠として代金支払いを拒絶しました。
5、翌日(2月14日)、日本共同リサーチから私宛にクレ−ム電話がありました。A氏の手許にはその控えもないので「意志表明書」をFAXしてもらい見ると、表面に「発刊(掲載)に同意し」とあり、裏面の「予約申込約定事項」の末尾に「定価14.7万円,予約特価14万円,掲載料s15万円」と記載があり、「この用紙に御不備の点がある場合はご返送前に、必ず当社まで問い合わせ下さい」と記載がありました。
 顧客にとっては極めて紛らわしく、業者にとっては都合のいい解釈のできる表現になっております。
6、私は「意志表明書」そのもののタイトルがおかしい(怪しい)等錯誤無効を強く主張し続けたところ、業者は「一銭も払う気はないのですネ、じゃ、本を送って下さい」ということで、一件落着となりました。一方N社にも催告のFAXを入れ、その対応を待っているところです。
7、紳士録商法やその2次被害に遭わないよう参考にして下さい。

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