2006年1月20日 |
靜岡県元議員会への補助金支出,最高裁違法と断罪(史上初),東京高裁へ差戻判決(2006.1.19言渡)[2006年1月20日UP] |
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本HP2005年10月7日既報の事件につき,最高裁第1小法廷は2006年1月19日,静岡県元県議会議員会への県の補助金への支出を違法と断定し,不法行為責任の有無,不当利得の成否を審理させるため,東京高裁へ差戻しの判決を下した。
元議員会への補助金支出の違法性を断罪する判決は史上初の判例であり,補助金を交付している全国の都道府県に対しては厳しい断罪となる。
私にとって2002年7月の榛原総合病院組合,島田市下水道談合事件の最高裁逆転勝訴判決に続く,3件目の最高裁での逆転勝訴判決となりました。
判決の内容は以下のとおりです。 |
「…しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
前記事実関係によれば,本件各補助金の対象となった事業は,いずれも被上告人元議員会の会員を対象とした内部的な行事等であって,住民の福祉に直接役立つものではなく,その事業それ自体に公益性を認めることはできない。また,前記事実関係によれば,本件各補助金の交付の趣旨は,県議会議員の職にあった者の功労に報いることと,その者らに引き続き県政の発展に寄与してもらうことにあるということができるが,県議会議員の職にあった者も,その職を退いた後は,もはや県民を代表する立場にはないのであるから,上記の趣旨により被上告人元議員会の内部的な事業に要する経費を補助するとしても,県議会議員の職にあった者に対する礼遇として社会通念上是認し得る限度を超えて補助金を交付することは許されないというべきである。ところが,本件各補助金の交付は,その金額が平成11年度が450万円,平成12年度が241万1026円であって,被上告人元議員会の事業の内容や会員数に照らしても,県議会議員の職にあった者に対する礼遇として社会通念上是認し得る限度を超えるものといわざるを得ない。そうすると,本件各補助金交付につき地方自治法232条の2の「公益上必要がある場合」に当たるものと認めた県としての判断は裁量権の班員を逸脱したものであって,本件各補助金の支出は全体として違法というべきである」 |
2005年10月20日 |
熱海花博の補助金4億円余の返還を求めて住民訴訟(05年10月20日UP) |
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熱海市が2004年3月18日〜5月23日まで開催した熱海花博に支出した補助金4億0463万0762円は違法であるとして,同市の市会議員3名が熱海市長を被告として住民訴訟を2005年10月11日静岡地裁に提訴しました。
その内,2億4263万0762円は,赤字補填のための支出であることは明白であると考えています。訴訟の経過は随時報告します。
社会正義を愛する県内の市町村議員の方々の住民監査請求や住民訴訟を支援します。
尚,日本弁護士連合会行政訴訟センターは,住民訴訟の国版である「公金検査請求訴訟法案」を策定中です。県内市町村議員,県議の皆さん,是非,同法案実現を目指し,関心をお寄せ下さい。
尚,日弁連は,
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日時 |
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2005年11月9日13時(会場:弁護士会館クレオBC) |
テーマ |
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「行政法制度改革〜第2ステージの行政訴訟改革」 |
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(1)基調講演 小早川光郎東京大学法学部教授 |
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(2)シンポジウムパネリスト |
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阿部泰隆中央大学総合政策学部教授 |
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安念潤司成蹊大学法科大学院教授 |
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国会議員,マスコミ関係者 |
シンポジウム詳細につきましては,日弁連ホームページ
(http://www.nichibenren.or.jp/)にてご確認下さい。 |
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2005年10月7日 |
静岡県元議員会への県の補助金支出につき最高裁が口頭弁論開く旨の決定届く(05年10月7日UP) |
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静岡県内のオンブズマン2名(1審提訴時5名)が,静岡県元県議会議員会(元議員会,県会議員OBで作る親睦団体)と石川嘉延知事らを被告として,静岡県が1999年度分469万余円,2000年度分244万余円の補助金を元議員会に交付したことの違法性(元議員会は1999年度は3泊4日の北海道観光旅行などに使用,2000年度は県内視察などに使用)を訴えて,2000年12月25日に静岡地裁に提訴しました。一審敗訴(2003年3月7日),控訴して2審でも敗訴(2003年8月6日,東京高裁第20民事部),上告受理の申立をなして,最高裁第一小法廷から本日,上告受理と口頭弁論期日呼出状が届きました(2005年12月1日,午後2時30分)。
最高裁で口頭弁論を開く場合には,例外なく原審判決が覆っているので,本件も大いに期待が持てるところです。 |
2004年7月13日 |
静岡県民オンブズマンネットワーク代表幹事服部寛一郎氏が静岡県警の担当者に対する刑事告発状を静岡地検に提出(04年7月8日) |
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静岡県警の7所属課で1998年度の会計文書が、県警の文書管理に関する訓令で定められた5年間の保存期間の規定に反して廃棄されたことに関し、違法公金支出の証拠を隠滅しようとする目的と見るのが自然であるとして告発状を提出した。静岡地検は同日これを受理した。 |
2004年7月3日 |
1995年度静岡県警総務課のカラ出張・水増請求に関しオンブズマン6名で住民監査請求 |
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7月2日、オンブズマン6名が静岡県監査委員に対し、1995年度静岡県警総務課のカラ出張・水増し等による出張旅費9,401,075円及び食糧費4,384,080円、合計13,785,155円の損害を被ったとして、「知事は、知事及び関係職員等に対し、損害賠償等を請求する」ことの勧告を監査委員に求める住民監査請求をしました。 |
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2004年7月3日 |
静岡地検は04年7月2日、静岡県東京事務所元次長(現静岡県沼津工業技術センター所長)を業務上横領で逮捕(6月7日に続き第2弾) |
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静岡県民オンブズマンネットワークのメンバー4名が静岡地検へ2003年10月14日付で告発状を提出していた件の第2弾で静岡地検は上記のとおり、東京事務所元次長を逮捕しました。元次長は03年秋800万円を県に返還したということですが、プール金でゴルフ会員権を買っていたということですので、犯罪性は明白です。
03年秋の返還時に、ゴルフ会員権取得の事実と返還の事実を知事は県民に公表し説明する責任があったのに、これを果していません。
又、昨秋以降もこのような犯罪者を県幹部として重用し続けていた県知事の責任も免れません。 |
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2004年6月8日 |
静岡地検は04年6月7日、静岡県西部農林事務所元総務課長を業務上横領で逮捕 |
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静岡県民オンブズマンネットワークのメンバー4名が静岡地検へ2003年10月14日付で告発状を提出していた件で、静岡地検は上記のとおり元総務課長を逮捕しました。 今後の地検の厳しい捜査によって、プール金問題の暗部を隠し続けた知事以下幹部の姿勢・体質が白日の下にさらされることを期待し、今後の展開でオンブズマンとしてやれることがあったら取組んで行く予定です。 |
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2004年5月13日 |
島田市の下水道談合事件で日立製作所等と裁判上の和解成立〜日立製作所は解決金として合計2084万円を島田市などに支払いを約す。 |
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1995年11月島田市の住民が監査請求、同棄却、1996年2月静岡地裁へ住民訴訟提起、監査請求期間1年の解釈を巡って、1、2審敗訴の門前払い、最高裁で逆転勝訴の一審差戻し判決(02年7月19日)があり、静岡地裁で02年12月19日以降実体審理と和解が進められていたものです。 最後まで原告であり続けた志太榛原オンブズパーソンの5名の皆さん、ご苦労様でした。 |
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控訴期限の最終日になって、県は不当にも東京高裁に控訴をしました。石川嘉延知事は相変らず、情報隠しの非を認めない懲りない人物です。東京高裁での応訴にかかる経済的精神的負担も上乗せの附帯控訴をして、更に責任をとってもらいます。 |
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2004年3月10日 |
オンブズマン5名で住民監査請求 |
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3月10日オンブズマン5名が静岡県監査委員に対し、「県警総務課と県議会の1995年度旅費・食糧費・使用料及び賃借料の支出に係る公文書の非開示取消請求訴訟に要した支出は違法な公金支出であり、静岡県は同額の損失を被った」ので、監査委員は知事に対し、「知事は、知事及び関係職員等に対し、相当額の損害賠償ないし不当利得の返還を請求する」旨の監査請求をなしました。 |
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2004年3月9日 |
伊東市川奈ホテルでの高級官僚接待のつけまわしを巡る情報隠し(非開示処分)を繰返した静岡県に対し、180万円の損害賠償支払いを命ずる静岡地裁判決 |
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当事務所のHP(過去の事件・情報等に掲載〔石川嘉延静岡県知事の不正追及第一弾国家賠償請求事件〕)で取上げていた事件(2001年3月6日提訴、原告服部寛一郎、被告静岡県)の判決が2004年3月9日にあり、笹村将文裁判官は静岡県の応訴を違法として慰藉料100万円を含む総額180万円の損害賠償の支払いを命ずる判決を下した。情報開示を巡る訴訟で、当局の応訴が違法とされた判決は全国初と思われます。 |
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2004年3月5日 |
静岡県警カラ出張ついに認める 〜服部寛一郎代表の粘りが壁を崩す〜 |
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服部寛一郎さんが原告となり、静岡県警総務課と静岡県議会の1995年度旅費・食糧費・使用料及び賃借料の支出に係る公文書の非開示処分取消請求訴訟は、東京高裁で服部寛一郎さん勝訴の後、県が2000年11月8日付で最高裁に上告受理申立をしていたところ、2004年1月22日付で最高裁が上告不受理決定を下し、服部さんは2004年3月5日午前11時に文書の開示がなされるとの通知を受けていたところ、県警は同日午前10時に緊急に記者会見し、警務部総務課の1995年度の旅費1,300万円余りの内940万円余りがカラ出張であり、食糧費400万円余りの内約100万円が違法な支出に該当していることを公表した。 |
朝日新聞2004年3月6日の社説は、「・・・このところ北海道県警をはじめ各地で警察の裏金疑惑が表面化しているが、カラ出張による裏金作りを認めたのは、日本の警察史上おそらく初めてだろう。もっとも、静岡県警が自発的に不正を明らかにしたわけではない。県民の1人が県の情報公開制度に基づいて7年半にわたって県警に情報開示を求めてきた。それがようやく実ったのだ・・・」と紹介している。 服部さん大変ご苦労様でした。 |
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