2007年1月24日UP
2007/1/24 エステサロン「ラ・ヴィーナス」(有限会社ゴールドライン)と代表取締役吉井美保子に全面勝訴 〜 静岡地裁2部2係、2006.11.22判決(2007.1.24 up)
1、事案の概要(判決より引用)
本件は、いわゆるアトピー商法の被害者であると主張する原告が、エステティックサロン「ラ・ヴィーナス」を経営する会社である静岡県湖西市入出1706−6、被告有限会社ゴールドライン及びその代表者である被告吉井美保子を被告として、主位的には、被告ゴールドライン及び被告吉井に対し、不法行為に基づく損害賠償金として、エステの代金、人工炭酸温水製造装置「クアブルー」の代金、治療費、慰謝料、弁護士費用とこれに対するクアブルーの代金の最終支払日以降の遅延損害金、予備的には、被告ゴールドラインに対し、不当利得に基づく損害賠償請求(あるいは解除に基づく原状回復請求)として、エステの代金、クアブルーの代金とこれに対するクアブルーの代金の最終支払日以降の遅延損害金の各支払を求めた事案です。

2、裁判所の判断 
(1)主位的請求(不法行為の成否)
争点Aのクアブルー(1台目)の勧誘について、炭酸泉に(被告ら主張のような)効果があるか否かは、アトピー性皮膚炎の急性増悪で苦しんでいる原告が、クアブルー(代金55万円)を購入するか否かを判断するための核心をなす重要な情報であると考えられることからすれば、被告吉井の上記勧誘行為は、通常の営業行為として許容される範囲を逸脱しており、不法行為が成立するとし、購入代金55万円の損賠と弁護士費用5万円を認めましたが、その他の争点である@エステコース(体験コース・3ヶ月コース)の勧誘、Bクアブルー(2台目)の勧誘、C皮膚炎の発症についての不法行為は認めませんでした。
(2)しかし、予備的請求につき
Aエステコース(3ヶ月コース)についてクーリング・オフを認め、既払金11万円の返還を認めました。
Bクアブルー(2台目)について黙示の返品合意(合意解除)を認め、既払金41万3666円の返還を命じました。
(3)まとめ
原告は提訴時、既払金1,079,466円、信販会社の残債務206,800円という状況でした。判決によって、合計112万3666円の支払いが命じられ、全面勝訴と評価できます。被告両名から控訴がなく確定しました。確定後、信販会社は原告に対し残債の支払いを免除してくれました。残る判決認容額の回収は、任意の支払いがないので強制執行によるしかありません。

3、同社と代表者吉井美保子に関する有益情報を求めます。但し、無償です。
2006/4/24 男性エステ地獄解決例
 静岡県内の男性Aさん(36歳,独身)は車雑誌の懸賞に応募して、男性エステ店の1万円無料チケットに当選したのをきっかけに、2003年4月から2005年10月まで、3つの支店で次々にエステの契約をさせられ、クレジット支払総額が約550万円(既払金が約210万円、残債務が約330万円)に達したところで、支払に窮し、相談に見えた。
 不法行為による損害賠償請求、消費者契約法による取消、公序良俗違反による無効を根拠に通知書を出し、交渉の結果、エステ業者が残債務の処理、既払金中から約140万円を返すという内容で和解に至り、その履行もあった。

【教訓】
 男性エステの件で相談に行くのが恥ずかしいというこだわりを捨て、早めに消費生活センターや弁護士に相談することです。私の経験では女性エステも含め、業者が倒産していない限り、必ずそれなりの解決が出来ています。
2005/7/26 エステ地獄からの脱出例
 約6年間に亘り,同一のエステ店で15件の契約(クレジットの支払総額合計928万円,既払金788万円,クレジット残債務144万円)に追い込まれ,エステ地獄に陥っていた女性(29歳)の委任を受け,@400万円の返還A信販会社の残債はエステ店が処理するという内容の和解が2005年5月に成立しました。

何ごとも,諦めずに闘ってみることです。
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