北朝鮮帰国事業慰藉料請求事件

 〜朝鮮総連の責任を問う  '01.6.4提訴

 第1回口頭弁論が2001年7月27日13:30から東京地裁527号法廷で行われます。
 多くの関心のある方の傍聴を希望します。

  朝鮮総連の「帰国事業」によって北朝鮮に渡り、地獄のような体験をした金幸一氏(ソウル市在住。61年6月に第62次船で渡北、62年11月に韓国に脱出)が「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の支援によって、藤森克美弁護士を代理人として、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)を相手取って東京地裁に提訴しました(01年6月5日毎日新聞、産経新聞朝刊全国版で取り上げています)。以下に「北朝鮮l帰国者の生命と人権を守る会」(共同代表小川晴久、萩原遼、金民柱)の声明文の要旨と、訴状を掲載しますので是非お読み下さい。

・提訴に当って発表した「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の声明文の要旨

1、1959年12月に始まった帰国事業において、北朝鮮や朝鮮総連は「北朝鮮は地上の楽園」「衣食住に何の不自由もない」などの宣伝を精力的におこない、それにまどわされた9万3千人(日本人妻6千人を含む)の在日朝鮮人が北朝鮮に渡った。しかし、そこには劣悪な食事と住居、過酷な労働現場、勉学の夢も絶たれた青少年など悲惨な現実が待っていた。「約束が違う」などと訴えた帰国者には強制収容所送りや見せしめの銃殺などきびしい制裁が加えられた。3年後には里帰りできるという約束を信じた日本人妻はほんの一握りの宣伝用の里帰り以外はただの一人も日本の土を踏めないまま年老いていき、多くの人がすでに亡くなっている。

2、朝鮮総連と北朝鮮は、いまこそ帰国者・日本人妻に往来と里帰りの道を切り開くべきである。帰国者・日本人妻とその家族の安否・生死の確認、消息探しが切実に求められている。ところが、帰国者を送り込んだ朝鮮総連は、「帰国者は全員幸せに暮らしている」などの無責任な答弁に終始している。

3、原告の金幸一氏は、北朝鮮から軍事境界線を突破して命がけの脱出をし、辛うじて生還した生き証人である。帰国者の人生を狂わしながら何ら責任も取ろうとしない者たちに、裁判を通じてその非を正そうとする姿勢に私たちは共感し、これを全面的に支持する。

4、十万人近い帰国者の人生を翻弄した国家的犯罪をけっして見のがしてはならず、犠牲となった人たちをけっして忘却してはならない。この裁判を通じて、「人道と人権」の名においておこなわれた「帰国事業」の実態と朝鮮総連の法的責任を明らかにし、生存する帰国者とその家族に一日も早い自由往来を実現することが北朝鮮と朝鮮総連の責務であることを示したい。帰国運動に協力した日本の諸政党、日赤、労働組合などの諸団体や個人は、希望に燃えて帰国しながらも無残に夢を砕かれた帰国者の無念と悲惨な実態を直視し、この裁判の意義を理解し、積極的な支援を寄せられることを期待する。

  

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」のサイト

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」関西支部のサイト

 

訴状全文

準備書面